あなたはロードバイクのチューブに何を使っていますか?
初心者の方々はおそらくホイールに最初から入っていたブチルチューブを使っているのではないでしょうか
私もチューブレスのホイールを使う前は長らくブチルチューブを使っており特に気にしたことはありません
ですが自転車のチューブはブチル以外にラテックスや最近はTPUと言うのも存在します。
試しにこちらを使ってみてください。
全く違うバイクに乗っている、そして坂道も長距離もラクに走れる。
お手軽でコストのいいカスタムができますよ。
どれくらい差があるのか、自分基準にはなりますがインプレしたいと思います。
今回比較するチューブ
今回、比較するチューブは
ラテックス:SOYO LATEX TUBE
TPUチューブ:REVOLOOP REVO.RACE ULTRA
ブチル:SPECIALIZED TURBO
の3点になります。
まずは重量や見た目を見ていきたい思います。
まずはブチルのSPECIALIZED TURBO
こちらはROVAL ALPINISTに最初から入っていたチューブになります。
見た目や触り心地は特に特筆すべきところはない普通のチューブですね。
こちらの重量は
79gとなります。
続いてSOYO LATEX TUBE。
ラテックスは初めて使うのでどんなのものかと思いましたが、触ってみると膨らませる前の風船のような肌触りでサラサラしています。
重さは47グラムとなりましてブチルよりだいぶ軽いです。
そして最後にTPUチューブのREVOLOOP REVO.RACE ULTRA。
こちらは以前にも紹介しましたが触り心地はサラッサラのペラッペラです。
重さは脅威の24gとなります。
重さ的にはTPU>ラテックス>ブチル ということになりました。
ラテックス・TPUはブチルと転がり抵抗が全然違う
続いて転がり抵抗を比較してみます。
最近よく耳にするこの言葉は円形の物が転がるときに、進行方向と逆向きに生じる抵抗力のことを言います。
この値が小さいほど前に進む力が大きくなります。
ここではaerocoach社の検証データを引用させていただきます。
一番上のVredestein Superlite LatexはSOYO LATEX TUBEと同様の商品となります。
また一覧にSPECIALIZED TURBOが無いのでContinental Race Supersonicより下の同じぐらいの重さのものを参照していきます。
一覧のデータを参照しますと転がり抵抗は
SOYO LATEX TUBE<REVOLOOP REVO.RACE ULTRA<<SPECIALIZED TURBO
となります。
こうみるとブチルはラテックスやTPUより3〜5Wも抵抗値が大きいことが分かります。
これはかなりの違いです。
またREVOLOOP REVO.RACE ULTRAはSOYO LATEX TUBEより抵抗値が1.1W大きですが重量が半分以下なので実際の仕事量は一番小さいと考えられます。
ですがこれは例えばプロ選手がTTなどを行なってようやく出るような差であって実際自分ぐらいでは差は無いと思います。
実際の乗り心地は普通車と高級車ぐらい違う
ラテックス、TPUとブチルの抵抗値がかなり違うことが分かりました。
でも一番大切なので実際に乗ってみて違いが分かるのか、どれだけ違うのか、ということです。
実際に乗ってみて比べてみます。
車両はS-works Tarmac SL7、ホイールはROVAL Alpinist、タイヤはTURBO COTTONを使用します。
最初はブチルでいいけど慣れたら使うメリットはない
まずはブチルチューブから。
SPECIALIZED TURBOが入っている状態で納車されたので最初の印象は「もっさりした普通のバイク」でした。
世界の大舞台で勝っているバイクとは思えないような感じで走らない、重量が軽いのに坂も機敏に登らない。
正直なところ「つまらない」バイクでした。
乗る機会も余りなくなりました。
ですが後で分かりましたが実はこれ全てがブチルチューブの影響だったのでした。
TPUチューブは乾いた感じ 軽やかさは一番かんじる
続きましてTPUチューブ。
冒頭でも述べましたが自分は鈍感人間です。
正直、違いは分からないと思っていたのですが、
違いは歴然でした。
一言で言えば「圧倒的に軽い」
ひと踏み目から違います。
違うロードバイクに乗っている、そんな錯覚を覚えさせるほど違います。
ブチルがセロテープの貼る方の面の上を走っているのならTPUチューブは乾いたコピー用紙の上を走っているような感じです。
とにかく軽く滑っていくような感じです。
本領発揮の坂はどうなのか。
ここでも明らかに軽さを感じます。
とにかく足がクルクル良く周り軽快に登っていきます。
ただ、一つ懸念事項がありましてそれは高速巡航時。
ある一定の速度以上で順行すると細かい振動が出始めます。
最初、道ががたついているのかと思いましたが綺麗に舗装されているところでも出ました。
恐らくその薄さと硬質な素材のせいで振動が吸収出来なくなってくるのでは無いかと思います。
正直なところ長時間続くとしんどくなってきます。
上質な乗り心地のラテックスチューブ 軽さも速さも申し分なし
最後にラテックスチューブ。
チューブレスの乗り心地と低い転がり抵抗と言うことで期待は高まります。
まずは乗り出し。
TPUチューブと同様に軽いです。
逆にTPUより23g重くなっていますが重さは全く感じません。
そして意外なことにTPUチューブとラテックスチューブの違いを感じられます。
先ほどTPUは乾いたコピー用紙の上を走っている、と明記しましたがラテックスは「乾いた和紙」の上を走っている感じです。
乾いた感じですが乗り味が上質になっています。
乗り心地は確実に上がっていると思います。
続いて上り坂。
ブチルとは圧倒的に違いますがTPUと比べるとそこまで違いは感じられません。
TPUの方が多少回るかな?、程度で私くらいのレベルではほとんど変わりありません。
そしてTPUチューブでは懸念があった高速巡航。
こちらはどうでしょうか。
結果的には高速巡航でも振動等はありません。
それこそ転がり抵抗の少なさも相まって滑るように進んで行きます。
安心感が違います。
これは今まで使わなかった事を後悔するレベルでした。
自分はラテックスチューブをおすすめします
今後の見通しですが自分的にはラテックスを使っていこうと思います。
まずこれだけ乗り味、速さが違えばブチルという選択肢はないです。
そうするとラテックスとTPUという選択肢になります。
まず乗り心地、これはラテックスの勝ちです。
TPUはサラサラな感じ、ラテックスは上質な感じ。
そして高速巡航になってもラテックスは振動が出ないので長時間乗って疲れにくいです。
ではヒルクライムなどではどうなのか。
他のサイトなどでは軽さを活かしてTPUを使う、という方もいらっしゃいましたが例えば富士ヒルなどではそこまで斜度はキツくなく緩斜面も多く出てきます。
そして距離も20km以上と長い。
自分的には重さ的にはほとんど差を感じられなかったし実際タイムも変わらないと思うので疲労のことを考えてラテックスを選択します。
そして忘れてはいけないのが価格。
AmazonでSOYO LATEX TUBEが大体¥2,500〜3,500ぐらいに対して
REVOLOOP REVO.RACE ULTRAが大体¥3,000〜4,500ぐらいします。
色々考えますと最終的にはラテックスという選択になります。
まとめ チューブ交換は最もコストパフォーマンスに優れたカスタム
今回の検証で得たものは大きかったです。
チューブの違いが知れたのも大きかったのですがその結果としてTarmac SL7の評価が全く変わりました。
今までは「もっさりした普通のバイク」でしたが今では「風切って走る軽快なバイク」と大幅に変わりました。
最初はあまり好きになれかったのですが今ではこの1台で全部OKでは、とまで思っています。
チューブの交換はこれぐらいバイクの評価を変えてしまいました。
ホイールの交換でもかなり走りや乗り味が変わりますがあっちは最低でも万単位、対してチューブ交換は数千円です。
圧倒的にコストパフォーマンスが違います。
ただ一つだけ注意事項があります。
今回検証しましたSOYO LATEX TUBEとREVOLOOP REVO.RACE ULTRAはラテックスやTPUの中でも高性能、高価なチューブです。
もう少し安価な商品ではここまで違いが出ないかも知れません。
またリムブレーキのカーボンホイールでは熱の問題があり使用はおすすめできません。
ですが最近増加傾向にあるディスクブレーキなら問題はないのでブチルでは味わえない走りが体験出来ると思います。
最初から入っていたブチルを使っている方、何となくブチルを使っている方。
今すぐにラテックスチューブを試してみて新たな乗り味を感じてみてください
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